電池情勢は複雑怪奇ナリ
ハイブリッド車を含む電気自動車の商品化に当たっては、バッテリの開発技術を持っている電機メーカーとの合弁が不可欠となってきている。
この動きに先鞭をつけたのが、1997年にプリウスを販売したトヨタ自動車で、松下グループとの合弁企業「パナソニックEVエナジー(PEVE)」を設立し、トヨタへ電池の供給を行っているのは周知の通りだ。
実はこれ以外のメーカーでも資料に示すように、同じような動きをしている(スズキ・マツダの動きはわからなかった)。
ただここで設立年に注目して頂きたい。
トヨタのPEVEが1996年に設立しているのに対して、他社の設立は全て2007年以降であり、他社とは10年の開きがあり、この点からみてもトヨタは他社よりイニシアチブを有していると言える。
また、トヨタ以外にハイブリッドカーをとりあえず商品化できているホンダでさえ、電池の供給まで含めた戦略的な改革に乗り出したのは今年になってからで、この点だけ見ればむしろ他社より動きは遅いとも言える。
それでは現在までのホンダの事情をクローズアップしてみる
ホンダが今まで発売したハイブリッドカーの電池の供給先は以下の通りである。
1999 インサイト(ZE1):パナソニックEVエナジー
2001 シビックハイブリッド(ES9):パナソニックEVエナジー
2004 アコードハイブリッド(北米のみ販売)(UC?):三洋電機+?
2005 シビックハイブリッド(FD3):パナソニックEVエナジー+三洋電機
2008 インサイト(ZE2):三洋電機+パナソニックEVエナジー
こうしてみると、ホンダのハイブリッド車はトヨタの子会社から供給を受けているという事態が10年近く継続していたと言うことになる。ホンダへの販売に際してはPEVE側もトヨタに伺いを立てたはずだし、トヨタも良くそんなことを許したと思う。それだけ、ホンダのハイブリッドが脅威と見なされなかったと言うことだろうか?
ただ、ホンダへ販売したのは、トヨタでは初代プリウスの前期型にしか用いられなかった丸型セルだし、またトヨタとは金額の差をつけて高く売っていたのではないだろうか。何しろパナソニックEVエナジーの社屋や工場はトヨタの資本でできたのだし・・・
年次別にみれば途中ホンダは、パナソニックEVエナジー依存の脱却を模索していたような形跡は見られるものの、このような状況を受け入れていたと言うことは、今まで(2代目インサイト発売まで)はハイブリッド車にあまり本気でなかったと言われても否定できない。
ちなみに、第二の供給先である三洋電機も松下グループの子会社化しているので、強いて言えばトヨタ寄りとも言える。
それでは今後どうなるか
トヨタが先行しているこの状況も、各社の工場稼働年や公表されている各HV車販売のロードマップ等をみると、この2~3年のうちに電池自動車(PEV,HEV)の電池はリチウムイオンにシフトしていくことが予想されるので、このタイミングを見計らって他社も追つきたいと考えているようだ。
しかしよくわからないのはGSユアサの動きで、資料を見て頂くと解るのだが、三菱とホンダの両方に対して合弁会社を設立するという二重投資をしている。そして出資比率も、常にユアサ側が多く、自動車メーカー側の出資比率が高いトヨタ、日産勢とはケースが異なる。
ホンダがまた足下を見られていなければよいが・・
先日の記事を見ればわかるように、この状況で不利益を被るのはユーザーである我々でもあるのだから。
・・・資料・・・
<トヨタ系>
パナソニックEVエナジー株式会社(PEVE)
http://www.peve.jp/
設立:1996年12月
本社:湖西市
出資比率
トヨタ自動車 60%、松下グループ 40%
サイト内で見つけた興味深い一言
当社はOEMメーカーであり、お客様に直接販売しておりません
左端にES9が(^o^)
<日産系>
オートモーティブエナジーサプライ株式会社(AESC)
http://www.eco-aesc.com/
設立:2007年4月
本社:座間市
出資比率
日産自動車 51%, 日本電気、NECトーキン49%
サイト内で見つけた興味深い一言
AESCは独立企業として全世界の自動車産業関連メーカー様への販売を目指す
<ホンダ系>
株式会社ブルーエナジー
URL見つけられず(HP作る暇が無いほど忙しい?)
設立:2009年4月
本社:京都市
出資比率
ジーエス・ユアサ パワーサプライ(ジーエス・ユアサコーポレーションの子会社) 51%、本田技研工業 49%
サイト内で見つけた興味深い一言(ジーエス・ユアサ パワーサプライのサイト内)
新工場の稼働開始は、2010年秋頃を予定しております。
(ガンバって!!)
<三菱系>
株式会社リチウムエナジージャパン
http://lithiumenergy.jp/jp/
設立:2007年12月
本社:京都市
出資比率
株式会社 ジーエス・ユアサ パワーサプライ 51%
三菱商事株式会社 34%(三菱グループ、助け合ってますね(^^;))
三菱自動車工業株式会社 15%
サイト内で見つけた興味深い一言
リチウムエナジー ジャパンは、産業用大型および小型リチウムイオン電池におけるGSユアサ グループの高い技術および豊富な量産経験をもとにしてLEV50を開発いたしました。
(↑iMIEVに搭載予定)
「ES9豆知識」カテゴリの記事
- 電池情勢は複雑怪奇ナリ (2009.06.13)
- ニッケル水素バッテリーの話(2009.06.04)
- インサイト試乗記(その3)(2009.06.02)
- 新型インサイト試乗記(その2)(2009.06.01)
- 新型インサイト試乗記(その1)(2009.05.31)
「クルマ」カテゴリの記事
- ウルトラGREEN 使用感続報(速報)(2009.10.10)
- スイフトハイブリッド?(2009.10.02)
- 運動エネルギーと回生について(2009.09.14)
- JOY耐 観戦できず(2009.09.10)
- 最近見かけた電気自動車(2009.09.01)









Comments